オエウイのプロレス日記

プロレスについて記録用。2018.10初観戦。生観戦すると書くこと多いです。たまーに更新

26 レスラーの涙

まだオカダ選手のことを覚えたての時、過去の試合をいくつか見たらずいぶん生意気な感じの人なんだなと思った。たぶん2016年~2017年くらいの試合だ。棚橋選手がだいぶケガに悩んでいた時だったが、棚橋を終わった人扱いし、こき使っていた。生意気そう。

 

そういう印象を抱いた後、中邑選手の壮行試合を見た。試合後にケイオスのメンバーもリングに現れていた。オカダ選手は、一人だけ別れにボロ泣きしていた。

 

か、かわいい…。

 

そこそこ詳しくなった今は、オカダ選手はリングを離れれば気のいい兄ちゃんで、先輩を敬う性格で、会社に言われた生意気なキャラクターを演じきっていたのだなとわかるけれど、ボロ泣きには、人間味を感じて一気に好感度が上がった。

 

本間選手のJ-CUPでの涙も印象的だ。

ケガから復帰後の本間選手の動きがフラフラしているように見えるのが、見ていて不安になってくるんだけれども(専門家たちが意見してGOサイン出してるから大丈夫なんだろうけど、しょっちゅう試合中、首の辺に攻撃されると体痺れて動けてないのかなあという様子になるのは、寝たきりになるシーン見たくないなあとハラハラする)、春のJ-CUPでタイチと対戦したときに、動けないことへの不甲斐なさ?悔しさ?で涙しているのを見て、そうだよな、誰よりも自分が動けてないこと自覚してるよなそりゃ…がんばれ!となった。

強い=かっこいいというのがレスラー像だと思うけれど、涙は弱さの象徴のような気がするから、ギャップがすごい。

 

先日の両国での試合で、SANADAがオカダに負けて、悔し涙を見せていた。

感情を表に出さず、飄々としていた人が見せる涙というのは、やっぱりグッとくるものがある。

 

プロレスは勝敗が予め決まっている、らしい。ネット見てるとブックがどうたらとファンが論評してる。

タッグマッチはそうなんだろうなって見ていて何となくわかる。

ヤングライオンが先輩に勝てなかったり、ジュニアの選手はよほどのことがない限りヘビーの人には勝てないっていうのも、まあそういうもんなんだなって思う。こんな喧嘩みたいなこと、毎週毎週ガチンコでやっていたら、死者や寝たきり続出だと思う。勝った負けたじゃなくて、どれだけ記憶に残る試合をしたかが重要な世界だ。

 

で、疑問というか不思議というかなのが、そうやって勝敗が決まっている試合なのに、悔し涙を見せているところだ。計算されたものじゃない、生の感情に見える。会社から負けるように言われたから悔しくて、というより、試合自体に負けたから、というふうに見える。試合内容で相手が上回っていた、というのを感じてなのかなあ。

 

試合内容についても、シングル戦は、本当に勝敗決まってるの??となる。勝敗決まってるのに、こんな首が折れそうな危ない技を受けたりとか、失神するまでの蹴りあいとか殴り合いとかするの?逆にすごい。どんなモチベーションなんだ。

飯伏選手は、お客さんに驚いて喜んでもらいたいっていう一点だと本で言っていたけれど、みんながみんなそうじゃないよなあ(石井選手がそう思っていたらと想像すると嬉しいが)。やっぱり頭がおかしい集団なのか。

 

レスラーを本業として生活できている人って何人くらいなんだろうか。

新日で考えたら、練習生になるところから狭き門で、運動神経良くて、異常な量の練習に耐え、体育会系の上下関係を受け入れて理不尽な先輩に対応して、ケガしない丈夫な体を持ち、地方巡業で疲れをためず、危険に対しての感覚が人より欠落しててヤバイ動きできちゃう、って人しか続けられない世界だと思う。普通の人にはできないと思う。

それが前提で、人を魅了する言動ができる人がトップに上がっていく。比喩ではなく、寿命を削りながらお客さんを楽しませてくれているのだと思う。

 

長距離の高速バスに乗ると1週間は疲れが取れない身としては、地方巡業に耐えられる体というだけですごい(これについてはみなさんまあまあ風邪引いてるしどっこいどっこいかもしれないけれど)。

 

私にとってプロレスラーは超人だし、おっかない見た目だし、だからこそ泣き顔は鮮烈で美しい。