映画 恋人たち

映画「恋人たち」を見てきた。

ニート中、明るいものを見るのは耐えられなく、テレビの「プロフェッショナル」や「情熱大陸」なんて特に無理で、何かに努力してる人なんて怖くてしょうがなく、そんな後ろ向きの暗い期間、実家に数本あったDVDのうち、「戦場のピアニスト」と「ぐるりのこと。」を何回か見ていた。

高校の時の国語教師が「『人間失格』を読むと自分より暗いやつがいると思って救われる」と言っていたけど、同じ感じだと思う。どちらの作品も暗い暗い内容で、でも最後は救いがあったし、ユーモアがあった。

テレビブロス」を2号くらい買い逃し、最近アイドルに傾いてるし(アイドルと音楽とアニメは毎回読み飛ばしてしまう。)、もう買わなくてもいいかなーと思いながら新しい号を読んでいたら、大根仁さんが「ぐるりのこと。」の監督が7年ぶりに新作を出した、傑作だったという内容を書いていて、なんだって!?となり、調べたら地元では単館系のシネマでしか公開されないと分かり、千円の日が無いとこじゃないか!(今って1100円?)、となり、前売り券買わなくちゃ、買わなくちゃと思いながら愚図だからギリギリになり、っていうか題名なんだっけとまた映画館を調べたら、監督と主演俳優が舞台挨拶に来るとわかり、なんだって!?と久しぶりにミーハー心が沸き起こり、舞台挨拶の日に行くことにした。

10時受付開始で10時半開場11時開始とあったので、9時半くらいに並べば入れるかな…と考え、ケチなので、駐車場3時間までしかタダじゃないんだよな…何時間オーバーするかな…30分100円か…まあ前売り券で400円くらい浮いたし監督の話聞けること考えたらしょうがないよね…と思うことにし、その後も何時間オーバーになるか10回くらい考えながらもしょうがないしょうがないと思うことにし、早く家を出発したにも関わらず、もしもお客さんいっぱいでダメだったらどうしようとちょっと焦りながら駐車場に着いたら、映画に行きそうな若者カップルがいたのでやっぱり混んでるのかな!?とハラハラしながら映画館まで行ったら、9時半過ぎ、

誰も、待ってない…

なんか間違えたのかな…と思い、スタッフに話しかけるの苦痛だけどしどろもどろに、準備してる方に10時から受け付けですよね、と聞いたら、単館系のスタッフらしく余計な愛想は無く、はいそうです10時からですと返され、どうしよっかなーと悩んだ後一応、まだ誰も待ってないんですよね…と聞いたら、そうみたいですね、と余計な愛想は無く終わり、自分みたいなスタッフさんだな、と思いながら時間まで待ち、おじさんが一人途中から来て、その後小学生ファミリーも来たけどファミリーは犬の映画見に来たみたいで、10時に集まったのは6人位で、拍子抜けだった。

前作の「ぐるりのこと。」は色んな映画の賞とって成功したものだから、よくわかんないけど有名な監督なんだろうな、混むんだろうなと思っていたので拍子抜けだった。追っかけがいそうなイケメン俳優は出ていないと(主演の3人は無名の俳優だけれど、意識して起用したらしい)、そんなものなのかなあ。

開場時間になり席に座り、全席埋まらないのでまた拍子抜けだったが、私の左の左に座った人が席が気に入らなかったのかちょっと動いたらその横の人がバババっとその席を取ったので、そうそうその熱い感じ!と嬉しくなった。

映画のHPを見て、暗い作品なんだろうなあと思っていたけれど、予想通り暗くて、何回も「よくこんなよどんだ眼の死んだ表情ができるな…」と思った。「ぐるりのこと。」でも思ったのだけれど、この監督が表現する料理や食べ物って、ジブリの真逆、と言えるくらい不味そうで、「ぐちゃぐちゃ」という擬音がぴったり。でもどんな味かわかる。陰の部分に共感が多い。

映画には何人も嫌な感じの人が出てくるのだけれど、「本当にこういう人いるよなー」とムカつく感じも覚えがある。

映画に、母も誘おうかとちょっと思っていたのだけれど、たぶん生々しいラブシーンがあるだろうなと思って声をかけずに来て、予想通り生々しいラブシーンがあって、1人でよかった…となった。

途中で手首を切るシーンがあり、私は血管が切れる話に異常に弱く、貧血が来たらどうしよう、とだんだん冷たくなる手先をグーパーしたりして、気持ちを切り替えるために水分をゴクゴクとって切り抜けたので、繰り返し見るのはちょっと辛い。そういえば前作でも、治療と称して剃刀で肩を切るシーンあったけど、痛いシーンが好きなのかなあ。

私は暗い話が好きだけれど、救いが無い話は嫌いだ。ディズニーみたいに、ハッピーエンドで終わってほしい。橋口監督は、ちょっと救いを見せて終わらせてくれるので安心できる。この作品では「バカって良いなあ」と思った。

映画が終わって、監督と主演の篠原さんが挨拶した。勝手に(席埋まってなくてどう思ってるんだろ)とハラハラした。新宿では立ち見まで出てたそうですね。

監督は鬱病を昔患っていて、前作で木村多江さんが鬱病になる役なのだけど監督本人のことがかなり重ねてあるらしいし、7年も新作にかかったのは詐欺被害に遭って沈んでいたのが原因らしく、どんな人なのかなあと思っていたけれど、柔らかい雰囲気の方だった。木村多江さんが撮影中に本当に鬱っぽくなってしまったらしくって、そのエピソードで勝手に、神経質な天才肌で人のこと追い込んじゃうタイプなのかなあと思っていたので意外だった。ねちっこく撮るのかもしれないけれど。

みんな演技がすごい自然で、台本無くやっているのかな?というくらいに感じるのだけれど、前作も、自然なのに全部脚本で何回も撮り直して作っているとあったので、役が本人に刷り込まれるくらいやるんだろうな。今回の作品は主役3人の素の性格を意識しても作ったらしい。

監督と篠原さんの挨拶は15分くらいで、挨拶が終わると上映室を出たところで2人が待っててくれて、握手して帰る、という流れになり、ああどうしよう!前作でニート中救われたという話を伝えようかと思ったけれど、でもこれじゃ今見た映画の感想じゃないから失礼かな、高確率で聞き返される私が緊張した状態で声を出して伝わるのかな、どこから説明したら良いのかな、こうやって緊張してるのってぐるりのことでメガネ少女がスピリチュアル作家に「本当の幸せを見つけました」と伝える気持ち悪さに繋がってないかな、と考えすぎが発生してしまい、「写真撮っていいですか」「いろんな人に宣伝します」とだけ言って逃げ帰ってきた。

帰りの車で、ちゃんとしゃべれるようにならなきゃダメだー!と久しぶりに強く感じて反省した