自意識が邪魔をした

2015.5.28

猫のちびが元気が無い。

口の中が痛いようで、ドライフードを食べようと思って

止めたり、今まで食べなかったのに食卓の人間の

おかずを食べようとする。

普通病院に連れて行くのだろうが、

半野良で警戒心がまあまあ強く、病院には避妊手術以来

行っていないちびに「誰が捕まえるのよ」と責任の押し付け合いが

始まり、猫エイズが判明したら…とか悲観的になり、

誰も行かない。無責任な愛情だ。

とりあえずドライフードしかないから柔らかいやつを買ってこようと

近所のスーパーに行き、買って帰りの道を歩いていると

自転車が横切り「カチャン」と物が落ちる音がした。

なんだと思って手に取ると、鍵だった。

私は善良な市民なので、瞬間ダッシュした。

ダッシュしてもなかなか追いつかず、100メートルくらい走ると

自転車が信号待ちするのが見えた。これはチャンス、と

走り続け、だんだん近づき、もしかしたら大声出せば

呼び止められる距離まで縮まった。

しかし「大きい声の出し方がわからない、大きい声出すの恥ずかしい」という

問題が浮上した。

私は普段から声が低くてこもっているので人に聞き取ってもらえないし、

飲食店で店員に気付いてもらうのもなるべく目線だけでするようにしているし、

職場でも何回も口数が少ないことを注意されている。

そんなことをしていたら大きい声の出し方を忘れてしまった。

私が最後に大きい声を出したのは小学校のバレー部だと思う。

走りながらファミレスで隣に座っている人に伝わるくらいの

大きさで「まってくださーい」とか言った気がするし

「鍵を落としたことを気付け!」と念を送ってみたが、自転車は

そのまま走り去り、一応そのご300メートルくらい追いかけたけど

田舎だから信号少なくて追いつきようがなく、そっちいったらしばらく

田んぼ道、という方向に行ってしまい、次第に

「こんなずっと追いかけて追いついたところで気持ち悪がられやしないか」と

自意識が邪魔をし始め、諦めた。

街灯のあるところで鍵の束をまじまじと見つめると、

レオパレス ○○寮○○○号室」と書いてあり、

泥棒入られるやつやんとか思ったけれど、近くに交番無いし、

気付いてすぐに探しに戻ってくるだろうと、見つけやすいところに

置いてきてしまった。

何が正解だったのか。

とりあえず、大きい声を出せたら、私の人生は変わっていただろうと

人生の反省をし始めてしまった。

とりあえず泥棒タイプに見つけられず、本人に行ってますように

(30分ほど前のできごとだ)